夢現異界寓話01-消えた日

日の和ぐ空を祈っていた
大地は黙し人を見捨てる
出会った不幸は君の瞳
傅く悦びは僕の罪

艶の傾国を腕に手繰る 
君の名前を僕は知らない
気がついているのか糾号の
埋め尽くす大地の咆哮を

最果てまで駆け抜けるよう 君の手を放さない
腕が取れても大丈夫なよう 僕の体にしがみついて
愛の言葉なんていらない だからただそこにいて欲しい

君の故国に腕を伸ばす
僕の言葉は君に届かない
気がついておくれ民衆の
埋め尽くした大地は既に無い

果てるまで駆け抜けるように 君の全て放さない
僕が死んでも大丈夫なように 君は生きると言ってくれ
君の心なんていらない だからただ生きていて欲しい

潰走は屈辱の色 会葬を二人催した
大地は悲しく染まった 君は久しく泣いた
歩き出した隘路に 響かせたアイロニー
笑いあった僕達は泣いている事は隠していた